アーロンチェア修理の現場 |ハーマンミラーメンテナンス
ハーマンミラーのアーロンチェアは、正しいメンテナンスと修理を行うことで、10年、20年と長く使い続けることができる高機能ワークチェアです。 ハーマンミラー正規販売店であるChair株式会社が、ハーマンミラー公式の修理・再生工場である ハーマンミラーメンテナンスを訪問し、アーロンチェアの修理の現場をレポートします。
1. 純正パーツが並ぶバックヤード

メンテナンスセンターには、棚一面にアーロンチェアの純正パーツが並んでいます。 旧型(クラシック)から現行のリマスタードモデルまで、サイズ(A・B・C)やカラー(グラファイト/カーボン/ミネラル)ごとに年代を問わず最適な修理が行える体制が整っています。
正規メンテナンスではすべて純正パーツのみを使用するため、性能と安全性を維持できることが大きな特徴です。
2. 専門スタッフによる分解・診断工程

2-1. アーロンチェアの構造は「精密機械」に近い
アーロンチェアの内部には、チルト機構やリクライニング、ガス昇降など、複数のメカニズムが組み合わさっています。 見学した現場では、専用工具を使って座面・背もたれ・アーム・チルト・ガスシリンダーが慎重に分解され、一つひとつのパーツの摩耗状態がチェックされていました。
特に、座り心地の「心臓部」といえるチルトユニットは、アーロンチェアの修理においてもっとも重要な診断ポイント。 リクライニングの動きに違和感がある場合、多くはこの部分の摩耗や調整不良が関係しています。
2-2. よく見られる故障・不具合の例
- 座面がゆっくり沈んでしまう(ガスシリンダーの圧力低下)
- リクライニング時にギシギシと異音がする
- 背もたれがスムーズに動かない、ロックが効かない
- アームがぐらつく・高さ調整ができない
- キャスターが回りづらく、床を傷つけてしまう
- ペリクルにたわみや破れが見られる
これらの症状が出た場合でも、多くはパーツ交換と調整によって、本来の快適性を取り戻すことができます。
3. 再組み立てと調整で「本来の性能」を回復

3-1. ミリ単位の調整が座り心地を左右する
診断を終えたアーロンチェアは、必要なパーツを交換したうえで再組み立てされます。 この工程では、単に元に戻すだけでなく、ネジの締め付けトルクやチルトテンションの初期設定など、細かな調整が行われます。
- チルトテンションノブの初期設定
- リクライニングのスムーズさとバランス調整
- アーム高さ・角度調整機構の動作確認
- ガスシリンダーの固定角度チェック
最終チェックでは、実際に座った状態で違和感がないかを確認し、機能と安全性が基準を満たした段階で出荷準備に入ります。
4. なぜ、ハーマンミラー・メンテナンスでの保守が必要?

4-1. 構造が非常に複雑で専用工具が必要
アーロンチェアのチルトユニットや内部スプリングは、高い精度で組まれているため、一般的な工具と知識だけで分解・修理を行うのは危険を伴います。 誤った分解は、内部パーツの破損だけでなく、組み立て後の事故につながるリスクもあります。
4-2. 非純正パーツでは性能を回復できない
インターネット上では互換パーツも見かけますが、ガス圧や耐久性、素材が純正品と異なるケースも多く、結果として座り心地の低下や寿命の短縮につながる可能性があります。 アーロンチェア本来の性能を活かすためには、純正パーツによる修理が不可欠です。
4-3. 分解・改変は、ハーマンミラーの品質保証対象外製品になってしまう
お客様ご自身で、製品の分解や改変を行うことにより、ハーマンミラーの品質保証制度の対象外製品となってしまいます。
5. 正規販売店を経由した品質保証制度

ハーマンミラーの品質保証制度により、保証修理のご依頼は「購入された正規販売店」経由で申請をおこなうこととなります。
アーロンチェアは単なるオフィスチェアではなく、長時間のデスクワークを支える「仕事道具」です。 正しい修理とメンテナンスを行うことで、本来の快適性を取り戻し、結果として生産性や健康へのメリットも大きくなります。
座面が沈む、動きがおかしい、音が気になる…といったサインが出てきた際には、お気軽にご相談ください。 Chair株式会社が、お客様のアーロンチェアが再び最良のパフォーマンスを発揮できるようサポートいたします。
品質保証修理に関しましては、こちらもご参照ください。



