ミラチェア,セトューチェア,ミラ2チェアをデザイン・開発してきたStudio 7.5によるハーマンミラーの新しいオフィスチェアCosm Chairが誕生しました。
オーガニックな曲線をデザインモチーフとしながら、曲線と身体をサポートするエルゴノミクス機能を一体的にデザインするのがStudio 7.5のオフィスチェアに共通する特徴です。以前、セトゥーチェアのローンチイベントでStudio7.5のバークハード・シュミットさんとカローラ・スウィックさんにインタビューをした際に次のように語っています。
「インテグレーション(統合)はデザイナーの仕事そのものだと思います。でも、どこからが機能でどこからがデザインという分け方はしていません。またデザインと機能が分離して見えないようにすることがデザイナーの仕事だと思います」
Cosm Chairにおいても、彼らの思想が具現化されています。
IT機器を中心として人間を取りまく環境は、ここ数年で大きな変化がありました。ただ人間の身体が大きく進化したわけではありません。人間の身体が新しいテクノロジーに対応するためには、新しいサポーツールが必要です。Studio 7.5とハーマンミラーは、この点においては明確な意思をもって製品開発を行っていることが感じらます。
Cosm Chairに採用されている「オート・ハーモニックチルト」は、自動車のオートマチック・トランスミッションに例えられています。自動車を交通状況ではなく、トランスミッションのプログラムのみに合わせて走行させることは、おそらくあまり快適・安全ではないでしょう。多くののオフィスチェアの「チルト=トランスミッション」はこれに近く、少なからず身体のほうが機能に合わせなければなりませんでした。
どのような姿勢であるかを問わず最適なバランスを維持する、と言葉でいうことは簡単です。ですが、その機能を実現した製品は今までありませんでした。Studio 7.5とハーマンミラーは、座っている人の絶えず変化する垂直方向の力を判断し、チルトのギアがリーフスプリングに沿って支点を移動することによりチェアの張力を自動調整する複雑に微調整されたメカニズムを開発しました。
「オート・ハーモニックチルト」は、交通状況に合わせて滑らかに走行するトランスミッションに例えることができる革新的なチルト機能です。日本でのオートマチック・トランスミッション(AT)自動車の普及率は99%だそうです。道路事情など複合的な要素の結果と思われますが、Cosm Chairの「オート・ハーモニックチルト」も日本のオフィスに受け入れられる快適性を十分に備えている、と言えそうです。